ポリマー改質アスファルト Polymer modified asphalt

熱可塑性エラストマー等の各種改質材を加えて、石油アスファルトの性状を改善したものであり、
アスファルト混合物の各種の性状を向上させるために使用します。

ニッシールGS ポリマー改質アスファルトI型

「ニッシールGS」は、ポリマー改質アスファルトI型です。
舗装用石油アスファルトの低温領域における脆性、および高温領域での塑性変形抵抗性を改善します。

【主な用途】

すべり止め、耐摩耗性向上

【特徴】

  • 荷重に対する塑性変形抵抗性に優れています。
  • ストレートアスファルトに比べてせん断強度が大きく、接着性・密着性に優れています。
  • タフネス・テナシティに優れ、骨材の把握力が優れています。老化が少なく耐水性に優れています。

エポックファルトD ポリマー改質アスファルトⅡ型

「エポックファルトD」は、ポリマー改質アスファルトⅡ型です。
重交通路線、空港舗装など非常に大きな荷重を受ける舗装において、優れた耐流動性、耐摩耗性を発揮します。
ポリマー改質アスファルトI型より、低温領域における脆性、および高温領域での塑性変形抵抗性を大きく改善します。

【主な用途】

重交通路線、空港舗装など

【特徴】

  • 荷重に対する塑性変形抵抗性が極めて大きく、耐流動性に優れています。
  • せん断強度が大きく、接着性・密着性に優れています。
  • タフネス・テナシティに優れ、高い骨材の把握力を有しています。

エポックファルトHi ポリマー改質アスファルトⅡ型

「エポックファルトHi」は、より高い塑性変形抵抗性が要求される重交通路線への適用や、積雪寒冷地域におけるF付き混合物の耐流動性の向上を目的とした高品質なポリマー改質アスファルトⅡ型です。
ポリマー改質アスファルトⅡ型の性状よりさらに軟化点やタフネス・テナシティを向上させ、耐流動性および耐摩耗性に優れています。

【主な用途】

積雪寒冷地の重交通路線、空港舗装など

【特徴】

  • エポックファルトDよりも高い塑性変形抵抗性、摩耗抵抗性を得ることができます。
  • F付きの加熱アスファルト混合物の塑性変形抵抗性を向上させます。

エポックファルトスーパー ポリマー改質アスファルトⅢ型

「エポックファルトスーパー」は、ポリマー改質アスファルトⅢ型です。
交通集中や車両の大型化など、都市部の舗装への荷重負荷に対応した優れた塑性変形抵抗性を付与しています。
ポリマー改質アスファルトⅡ型よりも、さらに高温領域でも塑性変形抵抗性を改善し、強力なゴム的性質と樹脂的な性質を併せ持っています。

【主な用途】

超重交通路線、交差点部、コンテナヤードなど

【特徴】

  • 高温領域での塑性変形抵抗性を高めるため、高い軟化点を有しています。
  • 感温性をより高めています。
  • 骨材に対する把握力・接着力をさらに高めるため、タフネスを大きくしています。

エポックファルトアセット ポリマー改質アスファルトⅢ型-W

「エポックファルトアセット」は、ポリマー改質アスファルトⅢ型-Wです。
コンクリート床版上の橋面舗装に適用されます。
骨材との付着性に優れており、滞水によるアスファルトと骨材の剥離現象が懸念される箇所に適用することができます。

【主な用途】

コンクリート床版上の橋面舗装

【特徴】

  • 耐流動性に優れています。
  • 骨材との付着性に優れ、骨材とアスファルトの剥離を防止します。
  • たわみ性に優れているため床版の動きへの追従性に優れ、クラックの発生を低減します。

エポックファルトアセットSD ポリマー改質アスファルトⅢ型-WF

エポックファルトアセットSD
「エポックファルトアセットSD」は、ポリマー改質アスファルトⅢ型-WFです。
鋼床版上の橋面舗装に適用されます。
鋼床版上の橋面舗装では、コンクリート床版上の橋面舗装と同様に、耐流動性や骨材の剥離抵抗性が要求されます。
また、コンクリート床版にはないリブなどの構造の影響により、様々な変形を生じる箇所が存在し、鋼床版の舗装に使用するアスファルトもより高い耐久性が要求されます。

【主な用途】

鋼床版上の橋面舗装

【特徴】

  • 耐流動性に優れています。
  • 骨材との付着性に優れ、骨材とアスファルトの剥離を防止します。
  • 高いたわみ性を持ち、鋼床版の動きへの追従性することでクラックの発生を低減します。

セナファルト ポリマー改質アスファルトH型

セナファルト
「セナファルト」は、ポーラスアスファルト舗装に適用されるポリマー改質アスファルトH型です。
ポーラスアスファルト舗装は、その高い空隙率により、排水機能による雨天時の視認性向上や、吸音特性に優れています。

【主な用途】

ポーラスアスファルト舗装

【特徴】

  • 骨材の把握力が高く、高空隙な混合物の製造が可能です。
  • 60℃粘度が高く、高い耐流動性を示します。
  • 通常のアスファルト舗装と同様に、合材製造、舗設が可能です。

セナファルトSC 寒冷地域・一般地域共用型ポリマー改質アスファルトH型

セナファルトSC
「セナファルトSC」は、寒冷地域・一般地域共用型のポリマー改質アスファルトH型です。
一般ポリマー改質アスファルトH型よりも低温側に特徴を持たせることにより、広い地域で優れた性能を発揮します。
寒冷地域におけるポーラスアスファルト舗装においては、一般地域に使用されるポリマー改質アスファルトH型よりも低温側に適した性能が求められます。
また、一般地域においても、標高などによっては同様の性能が必要となります。

【主な用途】

寒冷地または一般地域のポーラスアスファルト舗装

【特徴】

  • 骨材の把握力が高く、高空隙な混合物の製造が可能です。
  • セナファルトに比べ低温性能に優れています。
  • セナファルトと同様に高い耐流動性を示します。

セナファルトCL ポリマー改質アスファルトH型-F

セナファルトCL
「セナファルトCL」は、寒冷地用のポリマー改質アスファルトH型-Fです。
寒冷地では、積雪やタイヤチェーンの使用等過酷な条件に晒されるため、一般地域以上に耐候性、耐久性に優れた舗装体でなければなりません。
セナファルトCLは、その優れたバインダ特性により、寒冷地などの厳しい条件にも耐えうるポーラスアスファルト混合物を提供することが可能です。

【主な用途】

積雪寒冷地のポーラスアスファルト舗装

【特徴】

  • 4℃伸度、フラース脆化点、曲げひずみ等の低温時のバインダ性状が優れています。
  • 混合物のカンタブロ損失率が低く、摩耗量が少ないです。
  • 混合物の曲げ試験における脆化点が低いです。
  • 一般のポリマー改質アスファルトH型と同等の作業性を有しています。

セナファルトHP 高耐久型ポリマー改質アスファルト

セナファルトHP
「セナファルトHP」は、ポーラスアスファルト舗装に適用される高耐久型ポリマー改質アスファルトです。
吸音特性の向上のための小粒径化や高空隙率混合物による対応、また、交差点や重交通路線の骨材飛散抵抗性などアスファルト舗装に対して新たな特性が求められております。
セナファルトHPは、超重交通路線などへの適用、小粒径化による騒音低減、長期供用維持など、様々なニーズに対応できます。

【主な用途】

重交通路線のポーラスアスファルト舗装
小粒径のポーラスアスファルト舗装

【特徴】

  • 高空隙、小粒径の混合物であっても高い耐流動性を示します。
  • 重交通路線等での骨材飛散に対する抵抗性が高いです。
  • バインダ単体の曲げひずみが大きく、たわみ追従性に優れています。
  • 一般的なポリマー改質アスファルトH型と同等の作業性を有しています。

セナファルトSD 鋼床版用ポリマー改質アスファルト

セナファルトSD
「セナファルトSD」は、鋼床版上のポーラスアスファルト舗装に適用するポリマー改質アスファルト型です。
たわみ追従性に優れているため、鋼床版の変形に追従する性能を有しております。

【主な用途】

鋼床版上の橋面舗装(ポーラスアスファルト舗装)

【特徴】

  • バインダ単体のたわみ性能が優れています。
  • 混合物の曲げ試験におけるひずみが大きいです。
  • 4℃伸度、フラース脆化点に代表される低温時のバインダ性状が優れています。
  • 一般のポリマー改質アスファルトH型と同等の作業性を有しています。

セナファルトHG ねじれ抵抗性改善型ポリマー改質アスファルト

セナファルトHG
「セナファルトHG」は、ねじれ抵抗性改善型ポリマー改質アスファルトです。
一般ポリマー改質アスファルトH型に比べ、特にねじれに対する抵抗性を大幅に改善します。
交差点や駐車場および進入路などでは、車両の右左折、車両の切替し、停止・発進などに伴う骨材飛散が発生しやすいです。
セナファルトHGは上記のような箇所に適したポリマー改質アスファルトです。

【主な用途】

交差点、駐車場などのねじれ作用を受けやすい箇所のポーラスアスファルト舗装

【特徴】

  • 交差点部や駐車場などでのねじれに対する抵抗性に優れています。
  • 高い耐流動性を有しています。
  • 一般的なポリマー改質アスファルトH型と同等の作業性を有しています。

エポックグース 改質グースアスファルト混合物用改質アスファルト

エポックグース
「エポックグース」は、改質グースアスファルト 混合物用のポリマー改質アスファルトです。
舗装構造物の高耐久化に寄与します。

道路橋床版上の基層に適用する舗装には、防水性、たわみ追従性などが求められ、鋼床版上の場合には、一般的にグースアスファルト混合物(以下、従来グース混合物)が適用されています。
従来グース混合物は、施工時の合材温度が240℃程度と高く、コンクリート床版に適用するとブリスタリングが発生しやすくなるため適用されてきませんでした。

このような問題に対し、コンクリート床版上の防水層として、特殊な改質アスファルトを使用した「改質グースアスファルト混合物(以下、改質グース混合物)」が新たに開発されました。改質グース混合物は、施工時の合材温度が180℃~190℃と低減しているため、コンクリート床版上にも適用可能です。また、従来グース混合物のような強い臭気はせず、耐流動性が向上しているなどの優れた特徴を持っています。

【主な用途】

コンクリート床版および鋼床版の基層に適用する改質グース混合物

【特徴】

  • 鋼床版だけでなく、コンクリート床版上にも適用することができます。
  • 従来のグース混合物より、合材温度が40℃程度低減できることから、次工程までの時間短縮ができます。
  • 従来グースのような強い臭気はせず、一般的な改質アスファルトと同等の臭気です。
  • 従来グース混合物より対流動性が向上しています。

ハイモジュラスファルト 高弾性上層路盤用混合物専用アスファルト

ハイモジュラスファルト
「ハイモジュラスファルト」は、高弾性上層路盤用混合物専用のアスファルトです。下層路盤への負担軽減やライフサイクルコストの低減を可能とし、舗装構造物の長寿命化に寄与します。

近年、高速道路をはじめとした幹線道路では、供用後、30年以上経過した道路が増加してきています。特に日本の高速道路においては、インフラの老朽化が問題視されており、本体構造物を含め、大規模な維持修繕工事が多く発注される時代となっています。その中で、長年供用した舗装構造物中の上層路盤や下層路盤が、雨水の浸透による砂利化や、舗装の下部から上部への向かう疲労ひび割れなどの影響により脆弱化している、ということが明らかになってきました。

そこで、これらの問題に対して新たに開発された、アスファルト安定度処理路盤用上層路盤混合物「高弾性上層路盤用混合物」は、疲労抵抗性や耐水性を向上させた混合物です。従来、バインダにストレートアスファルトを使用していたものを、ハイモジュラスファルトを用いることで、これらの性能を発揮させる混合物となっています。

【主な用途】

・ 高速道路や重交通路線の上層路盤
・ 上層路盤の劣化が進行し、基層、表層部への支持力が低下している箇所
・ 舗装体全体を長寿命化したい箇所

【特徴】

  • 非常に高い剛性を有しており、舗装体上部に対する支持力の向上と下層路盤への負担軽減に寄与します。
  • 非常に高い剛性を有しながらも、優れた疲労抵抗性を有しています。
  • 従来のストレートアスファルトよりも優れた耐水性を有していることから、上層路盤の劣化を抑制し、長寿命化に寄与します。